練習の組立説明

陸上競技の長距離と投擲を除く種目の場合、大きく二つの練習期に分けることができます。

①鍛錬期(冬季練習11月~3月)

②試合期(レース主体4月~10月)

の二つです。

更に、細かく見ていくと3ヶ月ないしは3週間~1週間スパンでのトレーニング計画が必要になるかと思います。

例を上げると

<3ヶ月スパン>

11月~1月:冬季練習(量を多く:全身持久+筋力アップ)

2月~4月 :準備期(徐々にスピード練習の頻度を増やす)

5月~7月 :試合期(スピード練習+疲労抜き)

8月    :準備期(若干のまとめた追い込み練習)

9月~10月:試合期(スピード+疲労抜き)

のようなざっくりとしたプランニングが必要かと思います。どのレベルで勝負していく生徒なのかによって、若干変わるかと思います。

 

<3週~1週>

週の中でどのようにトレーニングを組んでいくのかを考える必要があります。特に休養後の1回目の練習にどう入るのかが大切だと思います。大きく3つ(全身持久、スピード、スピード持久)に分けます。

 

例1)①週の始め~③週の終わり

冬季練習:①スピード持久+②全身持久+③全身持久

準備期 :①スピード持久+②スピード持久+③全身持久

試合期 :①スピード+②スピード持久+③スピード

のような区分けを大まかに行いながら、メニューを組んでいくと選手のピーキング(調整)もしやすくなっていくと思います。(これにいかに休養を入れていくかが大切です)

 


具体的なメニューの立案

<鍛錬期(部活動1時間程度と仮定)>

2月1日(月):サーキットアップ、坂ダッシュ100×5、ダウン(スピード持久力)

2月2日(火):縄跳びサーキット、外周リレー(500m)×3、ダウン(筋持久力)

2月3日(水):走のドリル、技術走100(または廊下50)×5、補強、ダウン(技術練習)

2月4日(木):ロングJOG(30分)、流し、補強(全身持久orアクティブレスト)

2月5日(金):サーキットアップ、走のドリル、坂ダッシュ200×3、ダウン(筋持久)

2月6日(土):競技場にて(W-up、ドリル、高強度インターバル、補強、ダウン)(スピード持久)

2月7日(日):完全休養

あくまでも例ですし、練習環境として学校の実態に沿ったものではない可能性が高いですが、この位の量を継続していけると、冬季練習としては効果を発揮できるのかもしれません。逆に職員会議や打ち合わせ等で部活が中止の可能性も考えると、最低限度の強度(質と量)のような気もします。

 

<準備期(部活動2時間程度と仮定)>

4月1日(月):ウォーミングアップ、ドリル、流し、インターバル200×5、補強、ダウン(スピード持久力)

4月2日(火):ウォーミングアップ、ドリル、流し、SD(20×3、30×3)、60×5本×2セット、補強(スピード)

4月3日(水):ウォーミングアップ、ドリル、流し、(200+100)×3、補強(スピード持久)

4月4日(木):ロングJOG(30分)、ドリル、流し、バウンディング等(全身持久orアクティブレスト)

4月5日(金):サーキットアップ、ドリル、(100+100)×3、ダウン(スピード持久

4月6日(土):ウォーミングアップ、ドリル、SD(20×3、30×3)高強度インターバル、補強、ダウン(スピード)

4月7日(日):完全休養 

準備期(移行期)ですのでスピードアップにおける怪我のリスクと、調子を上げていくための練習のバランスが大切だと思います。選手の状態を確認しつつ、目標とする大会までのプランニングと実は記録会に向けてある程度走れる状態を作ってあげることが必要かと思います。

 恐らく4月下旬に記録会があると思います。そうすると3月の中旬から下旬にはスピードを上げつつ(スパイクでタータン)量も維持していくような練習が必要かと思います。


<試合期>

6月1日(月):ウォーミングアップ、ドリル、流し、SD(20×3、30×3)、(10+100)×2(スピード)

6月2日(火):ウォーミングアップ、ドリル、流し、200+100(100系)200+200(400系)、ダウン(スピード持久

6月3日(水):ウォーミングアップ、ドリル、流し、SD(20×3、30×3)、(100+100)×2、ダウン(スピード

6月4日(木):ウォーミングアップ、ドリル、流し、150m(100系)250m(200系)300(400系)(刺激)

6月5日(金):ウォーミングアップ、ドリル、流し、SD、ダウン(アクティブレスト)

6月6日(土):レース

6月7日(日):レース

試合期ですのでスピードレベルが上がります。特に怪我には注意が必要です。

あくまでもレースに向けてです。例ではレース直前の1週間を取り上げてみました。刺激はレース前日派と前々日派があるかと思います。ここでは前々日にしてあります(自分がそうだったので)。ポイントは抜き過ぎないという事でしょうか?意外に200、400系は対乳酸の不安感を抱えていたりします。多少疲労感のある練習を週前半くらい(ここでは火曜日がポイント)に入れてあげるのも良いかと思います(人によりますが)。